AI議事録ツール比較【tl;dv・Otter・Notta・Fireflies】2026年版
AI議事録ツール比較【tl;dv・Otter・Notta・Fireflies】2026年版
オンライン会議が当たり前になって久しいが、会議の録音や文字起こしをどのツールで管理するかは、今も地味に悩ましい問題だ。自分はこの一年ほど、複数のプロジェクトで異なるAI議事録ツールを使い比べてきた。無料プランの制限に引っかかったり、日本語の精度に裏切られたりした経験も含めて、できるだけ正直に書こうと思う。今回取り上げるのは tl;dv、Otter.ai、Notta、Fireflies.ai の4本だ。
日本語対応の精度は、使ってみないとわからない
AI議事録ツールを選ぶうえで最初に確認したいのは、日本語の文字起こし精度だ。英語圏発のサービスが多いこのカテゴリーでは、「日本語対応」と謳っていても実際の精度にかなりばらつきがある。
Otter.ai は老舗で知名度も高いが、日本語については正直なところ苦手意識がある。英語の会議では非常に精度が高く、話者の切り分けも自然にこなす。しかし日本語のみで進む会議になると、固有名詞の誤変換が増えたり、話者ラベルがずれたりする場面が目立つ。英語が混じるバイリンガルな会議環境なら戦力になるが、日本語オンリーの用途には少し物足りない印象だ。
Notta は国内でも導入実績が増えており、日本語への対応を重視して開発されている経緯がある。実際に使ってみると、標準的なビジネス会話ではかなり読める文字起こしが出てくる。カタカナの専門用語や社名なども比較的正確に拾っていた。ただし話者が重なったり、声が小さかったりすると途端に精度が落ちる点は他ツールと変わらない。
tl;dv はもともとZoomやGoogle Meetとの統合を前提に設計されており、AIサマリーの品質に力を入れている印象だ。文字起こしのバックエンドにはWhisperベースの技術を使っているとされており、日本語でも比較的安定した結果が得られた。要約機能が充実しているため、会議後に全文を読む必要がなくなるのはメリットが大きい。
Fireflies.ai は英語ファーストの設計が色濃く、日本語での運用は今のところ「使えないことはないが、頼りきれない」という感覚が正直なところだ。チームで英語会議が多い環境ならかなり強力な選択肢だが、日本語主体のユーザーには向いていない。
使い勝手とツール連携、どこまで自動化できるか
文字起こし精度と並んで重要なのが、既存のワークフローにどれだけ自然にはまるかという点だ。
tl;dvはZoom、Google Meet、Microsoft Teamsとの連携をカバーしており、会議が始まると自動でボットが参加して録音を開始してくれる。Slack通知との連携や、Notion、HubSpotへの議事録エクスポートにも対応していて、チームで使う前提のプロダクトとして丁寧に作られている印象を受けた。ダッシュボードも整理されており、複数の会議録を横断してキーワード検索できる機能は地味に便利だ。
Otterは長年の開発経緯もあって機能が成熟している。モバイルアプリの完成度が高く、スマートフォンでリアルタイムに文字起こしを確認しながら会議に臨めるのは、対面会議が混在する環境では助かる。ただし無料プランの制限が厳しくなってきており、月に使える文字起こし時間が思ったより早く底をつく。チームプランのコストパフォーマンスについては、人数規模によって判断が分かれるところだ。
Nottaはブラウザ、デスクトップアプリ、モバイルと一通りのインターフェースが揃っている。録音ファイルをアップロードしてバッチ処理できる機能があり、過去の音声データをまとめてテキスト化したいというニーズにも対応できる。Google カレンダー連携でスケジュールされた会議に自動参加する設定も可能で、国内サービスとして使い始めやすい印象だ。ただし複雑なワークフロー自動化については、ZapierやMake経由での対応が主になるため、ノーコード系ツールに慣れていないと設定の手間がかかる場面もある。
Firefliesは連携先の数が多い点が特徴で、SalesforceやZendesk、Asanaなど営業・カスタマーサポート系のSaaSとの接続に強みがある。話者ごとのアクションアイテム抽出もできるため、英語での営業会議をメインに使う環境では実用性が高い。国内での使用感としては、セットアップ自体はシンプルだが日本語UIが部分的にしか整備されておらず、細かい設定を変更しようとすると英語に戻る場面が出てくる。
価格と無料プランの現実
2026年時点でのプランを見ると、各ツールとも無料枠は「試すには十分だが、業務で継続するには足りない」設計になっていることが多い。
tl;dvは無料プランでも基本的な録音と文字起こしができ、保存数に上限がない点は太っ腹だ。ただしAIサマリーや検索などの高度な機能を使うにはProプラン以上が必要で、料金はユーザーあたり月額20ドル前後からになっている。チーム導入を検討するなら年払いでの割引を計算に入れると現実的だ。
Otterは個人の無料枠が月600分から徐々に縮小傾向にあり、ビジネスプランは月額あたりで見ると他のツールより少し高めに感じることがある。それでも英語会議が多い環境では完成度が高いため、用途が合えば費用対効果は出せると思う。
Nottaの料金体系は比較的シンプルで、個人向けと法人向けにわかれている。音声ファイルのアップロード処理にかかるクレジット制を採用しているため、長時間の録音が多い場合はクレジット消費ペースに注意が必要だ。国内展開に力を入れているため、日本語のサポート対応が受けやすいのは安心感がある。
Firefliesは無料プランでも会議の文字起こしは行えるが、保存できる録音期間が短く、AI要約機能は有料プラン限定になっている。Proプランは月額10ドル前後からと比較的手が届きやすい設定だが、営業チームなどで本格活用するならBusinessプランが現実的な選択になる。
結局、どのツールが自分のチームに合うのか
ここまで書いてきたが、「これが最強」という答えを出せるほど単純ではないというのが正直な感想だ。用途とチーム構成によって最適解は変わる。
日本語の会議が中心で、とにかく文字起こし精度を重視したいなら Notta が現時点では安定している。国内向けのサポートも含めて導入のハードルが低く、まず試してみる最初の一択として検討しやすい。
ZoomやGoogle Meetをよく使っており、AI要約の質にこだわりたいなら tl;dv が実際によく動く。議事録を読む手間を減らしたいというニーズに素直に応えてくれるプロダクト設計が、実務的に助かる場面が多かった。
英語会議が多く、SalesforceなどのCRMと繋げて営業プロセスを効率化したいなら Fireflies の連携力が光る。逆に日本語しか使わない環境への導入は、今のところ自分はあまり勧めにくい。
Otterはモバイル活用や対面会議への対応が必要な環境で依然として選択肢に入る。英語対応の安定感は本物で、長年培ったプロダクトの熟成感がある。日本語中心なら他のツールを先に検討したほうが良いが、グローバルな用途では十分戦える。
まとめ
AI議事録ツールはこの数年で急速に成熟したが、それぞれのツールが得意とする領域は依然として異なる。日本語精度と国内サポートを取るならNotta、AI要約とチーム連携を重視するならtl;dv、英語中心の営業環境ならFireflies、モバイルや英語の安定感を求めるならOtterという分け方が、実際に使ってみた感覚では一番しっくりくる。
どのツールも無料プランで試せるので、自分の会議環境に近い条件で一度使ってみてから判断するのが確実だ。机上のスペック比較よりも、実際の音声を処理させてみたときの感触が一番正直な指標になる。ツールを乗り換える手間は小さくないので、最初の選択はできるだけ慎重にしたい。
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