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ポータブル電源

停電中に冷蔵庫を動かすなら何Wh必要か——消費電力からの逆算

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silver French-door refrigerator Photo by nrd on Unsplash

冷蔵庫はどれくらいの電力を使っているのか

停電に備えてポータブル電源を検討するとき、多くの人がまず気になるのが「冷蔵庫を動かすには何Whあればいいのか」という点だと思う。結論から言うと、冷蔵庫の消費電力はサイズや年式によってかなり幅がある。

家庭用の冷蔵庫は、メーカーの仕様表を見ると消費電力が「定格消費電力」として記載されている。一般的な300〜400リットルクラスのファミリー向け冷蔵庫だと、定格消費電力は100〜200W程度のものが多い。ただし注意したいのは、これは「常にその電力を使い続けている」という意味ではないという点だ。冷蔵庫はコンプレッサーが動いて庫内を冷やしている時間と、設定温度に達して休止している時間を繰り返している。そのため実際の平均消費電力は、定格の3分の1から半分程度になることが多いとされる。

つまり定格150Wの冷蔵庫でも、実際に稼働している時間全体で平均すると50〜70W程度で動いていることが少なくない。この「平均消費電力」が、必要なWh数を計算するうえでの土台になる。ただし正確な数値は機種によって違うため、自宅の冷蔵庫の型番から取扱説明書やメーカーサイトで確認するのが確実だ。ラベルに記載がない場合は、コンセントに挟むタイプの電力計を使えば実測できる。こうしたワットチェッカー 電力計は数千円で手に入り、停電対策を考える上での基礎データ集めにも役立つ。

稼働時間から必要なWhを逆算する考え方

必要なWh数を出す計算式はシンプルで、「平均消費電力(W)×使いたい時間(h)=必要な電力量(Wh)」となる。

例えば平均消費電力が60Wの冷蔵庫を24時間動かし続けたいなら、60W×24h=1440Whが目安になる。これはあくまで理論値で、実際にはポータブル電源からの給電には変換ロスがあるため、表示上の容量よりも1〜2割ほど少なく使えると考えたほうが現実的だ。そのため1440Wh分を確保したいなら、1700〜1800Wh程度の容量を持つ製品を選んでおくと安心感がある。

一方で「停電が数時間で終わる想定なら、そこまで大きな容量はいらないのでは」という考え方もできる。実際、6時間だけ冷蔵庫を動かしたいなら60W×6h=360Whとなり、500〜700Wh前後のポータブル電源でも十分対応できる計算になる。ここで大事なのは、自分の地域や過去の停電実績から「何時間の停電を想定するか」をあらかじめ決めておくことだ。台風や地震など原因によって停電の長さは大きく変わるため、絶対的な正解はない。ただ、多くの防災系の情報サイトでは「最低でも半日、できれば1〜2日は自立して過ごせる備えが望ましい」という考え方が紹介されている。

ここで一つ補足しておきたいのは、冷蔵庫だけでなく他の家電も同時に使いたい場合は、その分の消費電力も合算して計算する必要があるという点だ。例えば停電時にLEDランタンやスマートフォンの充電も同時に行いたいなら、それぞれの消費電力を足し合わせてから稼働時間を掛け算する必要がある。

起動時の突入電流という見落としがちな壁

Wh数の計算だけで満足してしまいがちだが、実はもう一つ重要な要素がある。それが「起動時の突入電流」だ。

冷蔵庫のコンプレッサーは、動き出す瞬間に定格消費電力の何倍もの電力を一瞬だけ必要とする。これを突入電流や起動電力と呼ぶ。メーカーの資料によっては、定格の3〜5倍程度のピーク電力が一瞬発生するとされている。つまり定格150Wの冷蔵庫であれば、起動の瞬間には450〜750W程度の電力が必要になる場合があるということだ。

この突入電流に対応できないポータブル電源だと、Wh容量自体は足りていても「起動できない」というトラブルが起こり得る。実際、購入者レビューの中には「容量は十分だったはずなのに冷蔵庫だけ動かなかった」という声も見られる。これは容量不足ではなく、瞬間的な出力(定格出力やピーク出力)が足りていなかったことが原因であるケースが多い。

したがって冷蔵庫用にポータブル電源を選ぶ際は、Wh容量だけでなく「定格出力(W)」と「瞬間最大出力(W)」の両方を確認する必要がある。製品仕様には「定格出力1000W、瞬間最大出力2000W」のように記載されていることが多いので、自宅の冷蔵庫の起動電力を上回っているかどうかをチェックしておきたい。この確認を怠ると、せっかく容量の大きいモデルを選んでも実際には冷蔵庫が動かせないという事態になりかねない。

実際にどれくらいのポータブル電源を選べばいいか

ここまでの計算を踏まえると、家庭用冷蔵庫を半日から1日程度動かしたい場合、目安として1000〜2000Wh程度の容量帯を検討する人が多いようだ。この容量帯の製品はメーカー各社から出ており、比較する際は容量・定格出力・重量・充電方法(AC、ソーラー、車のシガーソケットなど)を横並びで見るとわかりやすい。

例えばBLUETTI公式サイトのポータブル電源シリーズは、1000Wh〜2000Wh超のラインナップが複数用意されており、公式サイトの仕様表でも定格出力とピーク出力が明記されているため、冷蔵庫用途での比較検討がしやすいという声がレビューサイトでも見られる。ソーラーパネルとの組み合わせにも対応しているモデルが多く、停電が長引いた場合に太陽光で充電しながら使い続けられる点も注目されている理由の一つのようだ。

一方でEcoFlow ポータブル電源 大容量のシリーズも同様に大容量モデルを展開しており、急速充電に対応している点が特徴として紹介されることが多い。どちらのメーカーも容量やラインナップが頻繁に更新されるため、購入を検討する時点での最新の仕様と価格を公式サイトや販売ページで確認することをおすすめする。価格や在庫状況は時期によって変動するため、この記事内での言及はあくまで目安として捉えてほしい。

なお、容量が大きくなるほど本体重量も増える傾向がある。10kgを超える製品も珍しくないため、収納場所や持ち運びのしやすさも合わせて検討材料に入れておくとよいだろう。

まとめ

冷蔵庫を停電中に動かすために必要なWh数は、「平均消費電力×稼働させたい時間」で大まかに計算できる。一般的な家庭用冷蔵庫であれば平均50〜70W程度で稼働していることが多く、半日〜1日分を確保するなら1000〜1800Wh程度が一つの目安になる。ただしWh容量だけでなく、起動時に発生する突入電流に耐えられる定格出力・瞬間最大出力を備えているかどうかも忘れずに確認したい。

自宅の冷蔵庫の正確な消費電力は取扱説明書やメーカーサイト、あるいは電力計での実測で調べられる。想定する停電時間や同時に使いたい家電の有無も踏まえたうえで、容量と出力のバランスが取れたポータブル電源を選ぶことが、無駄なく現実的な停電対策につながるはずだ。

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